シンガポールへの移住で徴兵は免除される?日本人が知るべき兵役の条件
- シンガポール
- 著者:T.I
- 最終更新日:2026/01/26
- 投稿日:2023/05/07
シンガポールへの移住、特に永住権(PR)取得や家族での定住を検討する際、避けて通れないのが「徴兵制度(ナショナル・サービス:NS)」の話題です。シンガポールには厳格な兵役義務がありますが、日本人がどの程度対象になるのか、正しく理解している人は多くありません。本記事では、最新の規定に基づき、徴兵の対象者や免除の条件について詳しく解説します。
目次
日本人も徴兵制度の対象になるのか?
結論から申し上げますと、「就労ビザ(EPやSパス等)で滞在している一世の日本人」が徴兵されることはありません。しかし、永住権を取得した後の「二世(子ども)」や、一部の特別なケースでは義務が発生します。
徴兵の対象となる条件
シンガポールで兵役義務(NS)が生じるのは、主に以下の対象者です。
- シンガポール市民権を持つすべての男性
- 永住権(PR)を保持している男性の二世(子どもの代)
18歳になると、約2年間のフルタイム勤務が義務付けられます。女性については徴兵義務はありませんが、志願制での軍参加は認められています。
徴兵期間中の主な活動内容
徴兵された場合、まずは軍(SAF)、警察(SPF)、または民防軍(SCDF)のいずれかに配属されます。数ヶ月間の基本軍事訓練(BMT)を経て、適性に応じた専門部隊(通信、工兵、医療、事務など)に配属され、約2年間の任務を遂行します。フルタイム期間終了後も、40歳(将校は50歳)になるまで、年に一度程度の予備役訓練(ORNS)が課せられます。
「永住権(PR)と徴兵」の重要なルール
元原稿に「永住権があれば免除される」という趣旨の記載がありましたが、実際には逆ですので注意が必要です。
一世(本人)と二世(子ども)の違い
自身が主たる申請者として永住権(PR)を取得した「一世(第一世代)」の男性は、通常、兵役義務が免除されます。しかし、その扶養家族としてPRを取得した息子(二世)には、例外なく兵役義務が生じます。
兵役を拒否してPRを放棄した場合のリスク
兵役義務を避けるために、18歳になる前に永住権を放棄して出国するケースがありますが、シンガポール政府はこれに対し非常に厳しい姿勢をとっています。無許可で義務を放棄した場合、将来的にシンガポールでの就労ビザや再入国が認められなくなるリスクが極めて高いため、家族で移住を検討する際は慎重な判断が求められます。
徴兵が免除・延期される特別なケース
基本的には義務ですが、特定の条件下では免除や期間の延期が認められることがあります。
健康上の理由
重度の身体的障害や精神疾患など、軍務に耐えられないと判断された場合は免除(PES Fランク)となります。ただし、専門医による厳格な審査が必要です。
学業による延期
大学進学などを理由に、フルタイムの兵役開始時期を一時的に延期(Deferment)することは可能です。ただし、あくまで「延期」であり、卒業後には義務を果たす必要があります。
高度な専門技能やスポーツの実績
オリンピックレベルのアスリートや、国家的に極めて重要な研究に従事している場合、特別に免除や延期が検討されることがありますが、これは非常に稀なケースです。
まとめ
シンガポールに移住した日本人にとって、就労ビザで滞在している限りは徴兵の心配はありません。しかし、永住権(PR)を取得し、お子様を現地で育てる場合は、その息子さんが18歳になった際に兵役義務が生じることを覚悟しておく必要があります。この制度はシンガポール社会において「国民としての権利を得るための対価」と深く認識されており、移住後の家族計画において最も重要なチェックポイントの一つと言えます。
