日本人向け海外移住ガイド

シンガポール移住の物価は高い?生活費のリアルと家族別シミュレーション完全ガイド

シンガポール移住の物価は高い?生活費のリアルと家族別シミュレーション完全ガイド

「シンガポールは物価が高いと聞くけれど、実際いくらあれば生活できるのでしょうか」「今の年収で家族を養っていけるのか不安です」といった移住を検討する際のマネープランに関する相談が、私、T.Iのもとにも数多く寄せられています。

私自身、アラサーで子を持つ親として、シンガポールの物価上昇には非常にシビアな視点を持っています。2026年現在、シンガポールの物価が世界トップクラスであることは紛れもない事実ですが、実は「お金をかけるべき場所」と「抑えられる場所」がはっきりしている国でもあります。取材に基づくリアルな数字と家族構成別のシミュレーションを公開し、移住後の収支イメージを具体的に解説していきます。

シンガポールにおける生活コストの二極化構造を理解する

世界中に移住の選択肢がある中で、シンガポールが「物価が高い」と一括りにされる理由は、支出項目によって日本との価格差が極端だからです。現在の市場を分析すると、以下の2つの大きな構造が見えてきます。

住居費と教育費という巨大な固定費の壁

世界的なインフレと需要過多により、コンドミニアムの家賃は日本の都心の2倍から3倍が標準となっています。また、外国人がインターナショナルスクールを選択する場合、その学費は日本の私立大学を毎年通わせる以上の負担になります。これらは個人の努力で削ることが難しい、非常に重い固定費といえます。

安価に維持されている公共インフラとローカル食文化

一方で、地下鉄(MRT)やバスなどの交通費、そして「ホーカー」と呼ばれる屋台での食事は、政府の政策もあり日本よりも安く設定されています。この二極化を理解し、生活のどの部分をローカライズできるかが、シンガポール生活を軌道に乗せるポイントです。

日本とシンガポールの主要項目別・物価比較表

具体的にどのくらいの差があるのか、主要な項目を比較しました(S$1=110円換算)。シンガポールでの価格は、移住者が一般的に利用する水準を基準としています。

比較項目 日本(東京中心部) シンガポール(中心部近郊) 価格差の印象
家賃(2LDKコンド) 約25〜35万円 S$5,500〜7,500(約60〜82万円) 約2.3倍の負担
ランチ(レストラン) 約1,000〜1,500円 S$15〜30(約1,650〜3,300円) 約1.6〜2倍
ホーカー(屋台飯) 約800円(牛丼等) S$5〜8(約550〜880円) 日本より割安
ビール(店・1杯) 約600〜800円 S$12〜18(約1,320〜1,980円) 約2.2倍
タクシー(15分走行) 約3,000円 S$15〜25(約1,650〜2,750円) 日本より割安

シンガポール移住の生活費内訳の詳細解説

毎月かかる固定費と変動費を細かく分解します。ここを甘く見積もると、移住後に資産が目減りしていく事態に陥りかねませんので注意が必要です。

最大項目となる住居費とコンドミニアムの現状

生活費の約50%を占めるのが家賃です。2026年現在、単身用の1BRでS$3,500(約38万円)以上、家族向けの3BRならS$6,000(約66万円)以上が相場となっています。プールやジム、24時間警備が標準である点は魅力的ですが、この固定費を支払える年収設定が移住の最低条件となります。

食費・外食費における選択と集中

自炊コストを左右するスーパーの使い分け

明治屋やドンキといった日系スーパーで日本の食材を揃えると、支出は日本の1.5〜2倍に膨らみます。一方、NTUC FairPriceなどのローカルスーパーやウェットマーケット(市場)を併用することで、食材費自体は日本と同等程度まで抑え込むことが可能です。

レストラン利用時の税金とサービス料

モール内の一般的なレストランでは、メニュー価格にサービス料10%と消費税9%が加算されます。家族4人で食事をすれば、軽くS$150(約1.6万円)を超えることも珍しくありません。外食頻度のコントロールは、シンガポールにおける最大の節約項目といえます。

教育費という名の未来への投資

お子様がいる家庭にとって、最もインパクトが大きいのが学費です。インターナショナルスクールの場合、年間S$30,000〜S$50,000(約330〜550万円)が必要になります。これにスクールバス代や課外活動費が加わるため、子供2人なら年間1,000万円程度の予算を見ておく必要があります。

インフラ維持費と交通費の実態

光熱費の目安
月間S$150〜300(約1.6〜3.3万円)程度です。湿度が高いためエアコンを常時稼働させる世帯が多く、電気代の変動には注意を払う必要があります。
通信費の現状
月間S$40〜80(約4,400〜8,800円)ほどです。光回線とスマホ代のセットプランが多く、日本と同等か、あるいはやや安価な印象を受けるはずです。
交通費の利便性
月間S$100〜200(約1.1〜2.2万円)が一般的です。公共交通機関が非常に発達しており、車を所有しない限り、移動コストは日本より低く抑えることができます。

家族構成別・月間生活費シミュレーション

「コンドミニアム居住・適度な外食・標準的なレジャー」を前提とした、2026年時点の月間支出目安を試算しました。

家族構成 合計支出目安 内訳のポイント
単身者 S$5,000(約55万円) 家賃3,500、食費800、娯楽・雑費700
夫婦2人 S$7,500(約82万円) 家賃5,000、食費1,500、光熱・通信400、雑費600
子ども1人(インター校) S$12,000(約132万円) 家賃6,000、学費3,500、食費1,800、雑費700
子ども2人(インター校) S$16,000(約176万円) 家賃7,000、学費7,000、食費2,000

【取材事例】実際に移住した人たちのリアルな家計事情

私がヒアリングした、三者三様の生活実態をご紹介します。

事例1:30代単身エンジニア(現地採用)

住居費を戦略的に抑えたケース

「月額生活費は約S$4,500(50万円)です。中心部からMRTで20分ほど離れたエリアの1BRに住むことで家賃をS$3,000台に抑えました。食事の8割をホーカーで済ませれば、月給S$8,000でも月20万円以上の貯金ができています。想定外だったのはジムの会費でしたが、コンドの無料ジムを活用することで解消しました。」

事例2:子連れ移住の4人家族(経営者)

教育費を最優先したプレミアムな生活

「月額生活費は約S$20,000(220万円)に達します。やはり学費が2人で月70万円近いのが大きいです。週末に日本食レストランへ行くと家族で4〜5万円かかるため、平日は住み込みのヘルパーにローカル市場で買い出ししてもらい、自炊を徹底することで収支のバランスを取っています。」

事例3:駐在員夫婦(DINKS)

会社補助を最大限活かした安定生活

「家賃が会社負担のため、個人支出は月S$5,500程度で済んでいます。非常に豊かな生活ですが、医療費には驚かされました。保険適用外の歯科治療で1回5万円の請求が来たこともあります。シンガポールでは予防歯科と、会社の保険のカバー範囲を把握することが最大の節約術だと学びました。」

※この記事は実際の移住経験と複数の移住者へのヒアリングをもとに執筆しています。

物価が高い項目と安い項目を見極める

日本と比較した際のコスト感覚を整理しました。

日本より圧倒的に高いもの
酒・タバコなどの嗜好品です。これらは罪悪税により日本の3倍近い価格になります。また、車の購入費や維持費も日本の数倍に達します。歯科や産婦人科などの自由診療、日系ヘアサロンの施術料も高額な部類に入ります。
日本と同等、あるいは安いもの
Grabなどの配車アプリやタクシー料金、映画のチケット代、水道料金、公共のスポーツ施設利用料です。これらを上手く生活に組み込むことで、娯楽費の膨張を抑えることが可能です。

生活費を最適化するための具体的な節約術

取材で見聞きした、在住者が実践する賢いコストコントロールの手法をご紹介します。

食材調達のチャネルを使い分ける

高級食材や日本の調味料は日系スーパー、日常の野菜や肉はローカルのウェットマーケット(市場)で買います。これだけで食費は3割以上変わります。特にマーケットの新鮮な魚介類は、安価で質も高いため重宝します。

ハッピーアワーとBYOを活用する

酒税が高いため、外でお酒を飲む際は夕方のハッピーアワーを狙うのが鉄則です。また、持ち込み(BYO: Bring Your Own)が許可されているレストランを選び、日本から持参したワインなどを楽しむのも一般的な節約術です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 世帯年収いくらあれば移住に踏み切れますか?

単身なら年収S$100,000(約1,100万円)、子供1人の家族ならS$200,000(約2,200万円)が、貯金をしながら標準的な生活を送れる一つの目安となります。これ以下の場合は、HDB(公営住宅)への入居や、ローカル校の選択など、生活水準の調整が必要になるでしょう。

Q2. 現地の医療保険は加入必須ですか?

強く推奨いたします。私立病院での入院や手術は一晩で数百万円の請求が来るリスクがあります。会社の保険が十分でない場合は、個人で補完的な保険に入るのがこの国でのリスク管理の基本です。

まとめ:シンガポールの物価を味方につける

シンガポールの物価は確かに高いですが、それは治安、利便性、教育環境という「目に見えない資産」を享受するためのコストでもあります。2026年現在の数値を直視し、自分のライフスタイルに合わせて支出を最適化すれば、日本以上の豊かさを手にすることも可能です。

移住前にまずは、今回提示したシミュレーションをご自身の収支と照らし合わせてみてください。数字を具体化することで、不安は「実行可能な計画」へと変わります。あなたの新しい挑戦が、経済的にも精神的にも実りあるものになるよう心から応援しています。

著者情報

アラサー既婚子持ちのデジタルマーケター「T.I」です。
デザイン,コーディング,ライティング,seo,広告運用,sns運用の全てを担当しています。
数々の海外渡航や留学の経験から皆さんにとって有益なサイトとなるように情報を提供していきます。

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